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引っ越し先で義父の遺品保管部屋を見つけ、そこに置かれた古びたオルゴールを手に取った。その優雅な旋律は、私の心を穏やかに包み込んだ。しかし、曲が進むと、オルゴールの音色が変容し、不気味な音程に変化していった。部屋の影がひそみ、重い息遣いを感じ始めた。背筋を寒くさせる恐ろしいメロディーの中で、私は血相を変え、オルゴールを投げ捨てた。音色が消えると、部屋も静まり返し、まるで何事もないように感じた。しかし、その夜、悪夢にうなされた。夢の中で、古びたオルゴールのメロディーが響き渡り、私はその音に誘われて暗闇へと足を踏み入れる。そして、そこは広大な迷宮のような空間だった。行き止まりに突き当たり、深い絶望感に押しつぶされそうになった時、オルゴルのメロディーがまた始まった。その哀れな音色はまるで私の魂を吸い取るようにする。ようやく目が覚めると、部屋の中に湿った汚れと奇妙な黒い粉が散らばっていた。それからというもの、その古いオルゴールのメロディーがどこからともなく聞こえ、私に襲ってくる悪夢が繰り返されるようになった。
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