森の迷宮

深い森に、古い迷宮があるという話を聞いたことがある。誰が入ったら一度は抜け出せなくなったという噂が広まり、大人たちはその迷宮の話をする時にはぞっと震えていた。 でも、子供たちは子供の心ならではの残酷な好奇心で、迷宮への挑戦を誓った。 彼らのグループは夏が終わりかけ、枯れた葉が敷き詰められた迷路の中へ足を踏み入れた。日没間近、木々の間から差し込む薄暗い光は何とも不気味な影を漂わせ、彼らの背中をざるではなかった。 彼らは途中で迷子になっていることに気づいた。 一度きり、自分たちを迷宮の入り口に導いたような小さなポイントを見たのが記憶に残っている。それ以来、木々から覗く空の色は変わるばかり、昼間と夜のグラデーションすらも分からなくなっていた。 焦燥感が走り始め、彼らは大きな木の下に集まり、少しでも長く太陽光を受けようとした。しかし、視界を遮る存在が木々の間の静けさを支配するような足音で近づいてきた。 彼らに近づきにくい存在を、子供たちは恐怖に震えた。それは人間の姿をしたものではなく、歪み、ひどかった。木々の大気に溶け込んでいたかのように、その存在は彼らの存在を感知するように静かにじっと見つめている。 子供たちは逃げようとしたが、どこへ逃げても他の木々は同じようであり、迷宮が複雑に絡み合っていた。動きを封じられたように、子供たちは間髪入れず、その存在に取らわれた。 それから、森はその存在へと飲み込まれ、子供たちの叫び声も消え去った。迷宮があった場所には、今日も夕暮れ時になると怪しげな足音が響き渡り、誰かが闇の中に迷い込んだという噂が立つ。大人たちは、子供たちの侵入について警告しても誰も危険を避けることはなかった。なぜなら、それを見た人の証言では、子供たちが発見された時には、顔面が半分失われ、その場所に新しい存在が生まれたと言われているからだ。