囁きの時計

古い町家に住み始めた私に、奇妙な出来事が起こり始めた。それが始まったのは、物置に置かれたアンティーク時計からだった。時刻を刻むと同時に、静かでささやく声が聞こえてくるのだ。最初は気にも留めなかった。しかし、時間が経つにつれて、その声が明確になっていった。 『早く閉めろ』 誰かが私を責めているような音だった。慌てて時計を止めようとしましたが、ゼンマイの巻きが固く、動かない。日付を逆に回して中を見てみると、心臓のマークが刻まれた小さな窓に、ぼんやりとした影が浮かんでいるのが見えた。 音はますます強くなり、恐怖に震えた私は時計を隠そうとした。しかし、ある日気付くと、時計は棚の上に乗って、私はいたずら好きな子供のような物憂げな手で私をじっと見つめている。 『もう…閉じさせて…』 その声は哀愁に満ちていた。私はその声に支配され、時計を強く閉めた。すると、時計がパカッと音を立て、その中から大量の書類が噴き出した。それは亡くなった家族の書類だった。私の心を騒がし始める恐るべき事実を告げるもの。私は時計のささやきを明らかにする口から、真実を語られたのだ。 それからというもの、時計は私の心の内側へ、記憶を揺さぶり、罪悪感を渦巻かせるものとして残っていった。

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